大野事件、とりあえずの区切り

無罪になってよかったです。本当に。
医療崩壊はしてもいいかなという立場の自分ではありますが、でも加藤先生がそのために犠牲になる必要などないわけで。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080820-OYT1T00370.htm
http://s02.megalodon.jp/2008-0820-1348-19/headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080820-00000018-yom-soci(魚拓)

http://d.hatena.ne.jp/shy1221/で、S.Yさんも書いてますけど、真実を見極めるには、そりゃ専門的な論議は必要でしょう。
裁判で「素人でもわかる癒着胎盤とその予後」なんてするわけがないので(もっともそれに近いようなことはやっていたみたいですが、臍帯の読み方講座とか)。それを遺族が置き去りにされたというのは違う気がします。たとえば殺人事件の裁判でも専門的な話はするでしょうし*1、それが遺族を置き去りにしているという論調は見たことがありません。

それにしても、最近医療分野で読売新聞はひどいですね。

「何が起きたのかを知りたい」という思いで、2007年1月から08年5月まで14回の公判を欠かさず傍聴した。証人として法廷にも立ち、「とにかく真実を知りたい」と訴えた。「大野病院でなければ、亡くさずにすんだ命」と思える。公判は医療を巡る専門的な議論が中心で、遺族が置き去りにされたような思いがある。

「大野病院でなければ、亡くさずにすんだ命」とは遺族の思いでしょうか、素直に読めばそう思えますが、だとするとこの遺族は裁判の結果を待たずして自分で求める真実を決めてしまっていることになります*2。まさか、「真実を知りたい」といっている遺族がそんなことを思うはずがありません。とすると、この思いは(わかりにくいですが)これを書いた記者の思いなわけで、この記事は遺族を侮辱している記事にほかならないと考えます。

*1:間違っても大野事件が殺人だという意図では書いておりません

*2:今回の判決では病死とはっきり断定されてしまったわけです