がん生存率、病院の治療件数で差…「肝臓」では3倍以上(読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20070512it05.htm?from=top
3倍は言いすぎじゃないかなあ・・・原本の論文に当たってみないと何ともいえないけど

ただ、病院ごとに患者の重症度などに違いがある。そこで正確な比較のため、性別、年齢、がんの進行度の違いを調整し、5年以内の「死亡の危険性」を算出したところ、肝臓がんでは多件数病院に比べ、中件数病院は1・3倍、少件数病院が1・5倍、極少件数病院が1・9倍高かった。

こうやって発表するわけだし、この差は統計学的に有意だったんだよね・・・そこぐらいは信頼してもいいよね、読売新聞さん・・・

・・・やっぱ原本に当たろう。怖いわ。

集約化について僕は医療崩壊を避けるのには通らざるを得ないプロセスではあるが、今までの日本の医療システムに慣れた国民はそれを許容しない。また、集約化だけで医師数の純増がなければ逆効果になる」と考えている。

3人の外科医師で毎年200人の手術をしている病院があったとしてその5つを統合して毎年1000人の手術が出来るかといわれると、それは出来ない。いろいろな理由があるが、組織は一般に人が増えれば増えるほど効率が悪くなる。3人の医師なら毎日顔を合わせて病棟の状況を全員が把握することは出来ても、15人の医師が受け持つ患者を全員分理解することは不可能だ。手術にかかわらず全ての科でそうだ。

逆はどうかといえば、逆も真ならずで、人が極端に減ればまた効率は悪くなる。ひとりの外科医では手術は出来ない。このような病院を集約化することは(ひとりの医師の担当手術件数が純増するから)意味があるかもしれない。

何が言いたいかというと、下手な集約化をすると日本全体で見た年間手術対応可能件数は減りうる、ということ。

日本で癌のスペシャリストはどこに居る?って聞いたら医療従事者じゃない人はがんセンターって言うだろうし、今回のニュースを見てがんセンターに集約すればいいじゃんって思う人は多いと思うんだけど、実はがんセンターに対して、一般病院の医師はあまりいい印象を持っていない。その理由は明日にでも書きます。