呼吸器外し患者死亡=男性医師、家族の依頼受け−和歌山(時事通信)

http://www.jiji.com/jc/zc?key=%b0%e5%bb%d5&k=200705/2007052200452
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070522it07.htm?from=top
※ 読売新聞に詳細あり

和歌山県立医科大付属病院紀北分院(同県かつらぎ町)で昨年2月、脳神経外科が専門の男性医師が80代の女性患者の人工呼吸器を外し、この患者が死亡していたことが22日、分かった。
 同分院によると、患者は2006年2月、脳内出血で同分院に運ばれ、男性医師が緊急手術した。患者はその後、脳死状態になり、家族が「呼吸器を外してほしい」と求めた。医師は断ったが、最終的に受け入れて呼吸器を外し、女性は死亡した。

呼吸器は一度つけたら自発呼吸が戻るまでは何があっても外してはならない。研修医のときにそう教わりました。教えてくれる先輩はとっても苦々しい顔をしていました。当時はその言葉の意味が実感できませんでしたが、今は痛いほど分かります。

呼吸器をつける機会はこの病院に来て実は激減しましたが、前の病院でもできるかぎり「書面で」家族に同意を得ていました。もちろん中に「仮にあとで呼吸器を外すことを希望されても、呼吸器なしでしっかり呼吸ができると判断されない限り、呼吸器を外すことはできません。それを理解したうえで呼吸器を使用するかどうか決めてください」とは書くようにしてました。
急変の際も、勝手に外すことはできないことだけは必ず話すようにしました。ただ、急変時って家族はパニック状態ですから「何でもいいのでできることはしてください」ってなることも多いので、あとで「見るに忍びないので外してください」って言われたことも少なからずあります。
「いま呼吸器を外すということは、この手で首を絞めることと変わらない、殺人行為として私も貴方も逮捕されます」っていって納得してもらいますが・・・。富山の事件があってから、説明はしやすくなりましたね。