しょっちゅう引用させていただいているYosyan氏のブログから

http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20070528

自分はどこに当たるんだろうと考えた。
現在の自分の状況

  • いわゆる僻地勤務
  • 医局からは離れたフリーの立場
  • 内科医だが仕事は決して多くない(外科医に比べれば)。間違っても過労死はしない。
  • 当直回数はそこそこあるが、そのときも仕事は多くない。
  • 卒後年数、特に内科になってからのキャリアを考えれば給料は破格。休日もしっかりと確保され、そこでバイトすればラクに食っていける。

こんな自分にとって医療崩壊医師不足も悪いことだけではない。開業する気はさらさらないし、このまま定年まで勤め上げれば十分。定年後なんかの病気にかかってもあきらめるつもりだし、それは家族と話している。定年前に何かあったときのために保険も十分にかけてある。僻地義務化になっても、今自分がいるところが「僻地」だ。
正直、医療が崩壊しようとも一般的な国民よりは怖くない。そこそこのコネもあるし。
そんな自分だが半年ほど前までは医療崩壊を真剣に回避しようとmixiでの啓蒙に努めていたし、論争も何度もした。
でも分かってくれる人は少数だった。

小泉現象も医療崩壊も根っこは同じ。それで一番困る人がなぜか賛成する。まるで賛成しさえすればその後利益が得られるかのように。崩壊後、今と同じ医療を受けるためには最低ラインで年収1000万円が必要と考える。反対してる人がみんなそろってこのラインをクリアしているとはとても思えない。むしろほとんどの人はクリアしていないだろう。
そう考えたとき混合診療にせよ外資系保険会社の参入にせよ医療費削減にせよ医療訴訟の増加にせよ、どれもこれも悪い方向にしか行かないんだけど、それで一番被害を被る人は気づいていない。

医療崩壊を避ける方法は、医療に金をかけて、医師を増やすしかなかった。今はもう手遅れだけど。どうせ避けられないのであれば、啓蒙活動を必死にやる意味はない。そう気づいたのは今年の4月。はてなに移ったときはもうこのブログはストレス解消の意味のほうが大きかった。下手に医療崩壊を避けられて自分の仕事に影響が出るのはまじめに困る。中途半端に壊れるぐらいならば自分を高く売れる環境のほうが好都合だ。

逆に政府が大英断をして、一気に医師を2〜3倍に増やされたとき、少なくとも今よりも自分の勤務条件は悪化するだろうし、下手すれば食っていけなくなるかもしれない。それは勘弁だ。

政府が医師を増やす政策を政府が出しても、ネットでは素直に喜ばれなくなってきた。自分と同じ考え方の人間が増えてきたのだろうと思う。僕も含めて、みんなは第5段階から第6段階に差し掛かっているあたりなんだろう。