診療科を半分近くに再編 医師不足解消の思惑も 厚労省(朝日新聞)

http://www.asahi.com/life/update/0516/TKY200705160211.html

厚生労働省は、医療機関が名乗ることができる診療科を、現在の38科から20科程度に再編する方針を固めた。細分化して患者にわかりにくくなっている診療科を廃止する一方で、幅広い病気を診断できる医師に公的資格を与え、その医師がいる医療機関には「総合科」(仮称)を名乗ることを認めることなどが柱だ。患者が医療機関を選びやすくするほか、医療機関ごとに初期診療と専門医療の役割分担を明確にし、医師不足の一因とされる大病院への患者集中を緩和する狙いもある。
(中略)
 見直しは、各学会による専門医の認定制度を調整している日本専門医認定制機構が定める18の基本診療科をもとにする。内科、外科、小児科など20科程度に絞る方針だ=表。アレルギー科、神経内科など19科の廃止や、「救急科」など4科の新設を検討する。「内科(呼吸器)」といった得意分野の併記は認める。

記事中の表はWebでは見られないので2chより転載。

「存続が有力」
内科、小児科、皮膚科、外科、整形外科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科泌尿器科脳神経外科放射線科、形成外科、リハビリテーション科、精神科、麻酔科、歯科、矯正歯科、小児歯科、歯科口腔科

「廃止を検討」
心療内科神経科神経内科、呼吸器科、消化器科、胃腸科、循環器科、アレルギー科、リウマチ科、美容外科、呼吸器外科、心臓血管外科、小児外科、皮膚泌尿器科、性病科、肛門科、産科、婦人科、気管食道科

「新設を検討」
総合科、救急科、病理科、臨床検査科

これを見ると

  1. 内科・外科の細分化したものが内科・外科に統一
  2. 産科・婦人科も産婦人科に統一

にも厚生労働省の思惑が見え隠れする。

医療機関が名乗ることができる診療科」だから、病院も診療所も再編したいんだろうね。そうすることで本当に患者は医療機関を選びやすくなるんだろうか。

いかに科の名前を変えても、その医師の得意分野は変わらない。いままで循環器をメインにやっていた医師が名前だけ内科に変わって、胃カメラがすぐ上手になるわけではない。とすると、新しい内科の医師のなかには、括弧書きされて循環器がメインの医師、呼吸器がメインの医師、消化器がメインの医師、神経がメインの医師、血液がメインの医師・・・となる。
本当に何にも分からない患者は総合科を受診すればいいだろう。だが、「高血圧があって、また血圧が高い。たまに胸が痛くなるときもある。でも、引っ越してしまってここで新しく病院も探さないといけない」というように自分の病状を理解している人には逆に探しにくくなってしまう。そのような人たちもまず総合科を受診するのだろうか。最悪その医療機関に循環器専門の医師はいない可能性すらあるのに。
見方を変えれば、患者に分かりにくくすることで総合科の受診率を挙げようとしている可能性はあるけど。

医師不足がマスコミからもちらほらと報道されるようになったのをみた厚生労働省が、内科、外科、産婦人科と大きなカテゴリーで集約することで見かけ上医師が足りているように見せかけようとしているんじゃないか・・・って思う。むしろこっちがメインの目的かもね。