末期がんの母殺害で娘逮捕(共同通信)

今後はこんな事件が増えるでしょうね。
http://www.47news.jp/CN/200705/CN2007053101000118.html

末期がんの母殺害で娘逮捕
「看病に疲れた」と供述
2007年05月31日 8:37 【共同通信

 栃木県警足利署は31日、末期がんの母親(68)のを電気コードで絞めて殺害したとして、殺人容疑で長女の無職真田初美容疑者(42)=同県足利市大沼田町=を逮捕した。「看病に疲れた」と供述しているという。

 調べでは、真田容疑者は30日午後3時半ごろ、足利市の自宅で寝ていた母京子さんの首を電気コードで絞めて殺害した疑い。

 真田容疑者は京子さんと父親(75)の3人暮らしという。

入退院繰り返す母親を絞殺、42歳の女逮捕「看病疲れた」(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070531i302.htm?from=main3

 栃木県警足利署は31日、母親の首を絞めて殺害したとして、同県足利市大沼田町、無職真田初美容疑者(42)を殺人の疑いで逮捕した。
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 調べによると、初美容疑者は30日午後3時30分ごろ、自宅1階で、母の京子さん(68)の首に電気ストーブのコードを巻き付けて絞め、窒息死させた疑い。京子さんは病気を患っており、初美容疑者は「看病に疲れた」と供述している。

 初美容疑者は同日午後4時ごろ、外出していた父親(75)の携帯電話に「看病に疲れた。家を出る」と連絡を入れたため、不審に思った父親が自宅に戻ると、布団の上で、京子さんが死んでいたという。

 父親から届け出を受け、緊急配備していた足利署員が約1時間半後、同県佐野市で、乗用車を運転中の初美容疑者を発見した。

 京子さんは昨年末以降、入退院を繰り返しており、最近は自宅療養していた。初美容疑者は両親と3人暮らしだった。

急性期病院は治療できなくなったら出てってくれというだろうし、療養病床はどんどん数を減らすし、ホスピスはまだ十分あるとはいえない。

病院が出てってくれということは非難できない。なぜなら急性期病院は平均在院日数によって利益に差が出るからだ。利益という単語を使うと「儲け主義か」という批判が出るかもしれない。しかし、保険診療では単価を病院が決めることはできず、政府が決めている。そしてそれは「どんなにがんばってもぎりぎり黒字、でなきゃ赤字」というラインなのだ。言い方を変えれば「そのような患者さんを慈善産業の如く受け入れていれば病院自体が潰れる」ということ。マスコミは「追い出す病院」のような報道をしているけど、急性期病院は本来このような患者を見るところではない。そんな人たちを見て、病院が潰れたら割を食うのは実は患者だ。
で、そういう人たちを受け入れるのが療養型病床なんだけど、こちらは絶対的に数が不足している。で、政府は更に減らそうとしている・・・。

娘さんが無職という点にも疑問点を感じる。ひょっとしたら介護のために(そして末期癌で先が見えていると考え)一時的に離職したのかもしれない。そうすると、今後父親はどうやって生きていくのか、ということも問題になる・・・。

※追記 やっぱり仕事やめてましたね:http://www.asahi.com/national/update/0531/TKY200705310123.html

 同署によると、京子さんは昨年12月1日に胃がんの手術を受け、同月中旬に退院。長女の真田容疑者が自宅で世話をし、4月からは仕事をやめて看病に専念していた。京子さんは今月13日に再入院し、余命1カ月と宣告された。真田容疑者は病院側に「自宅で引き取りたい」と申し出て、24日から自宅療養に切り替え、ほぼ寝たきりの京子さんに食事を食べさせるなどの看病をしていたという。

今後このような事件は増えるんだろうな。
「家で看取られる」ことを望む人は確かに多いんだけど「家で看取る」ことを希望する人は決して多くない。そのロジックに気づかない振りをして医療費削減をお題目に進めたってどっかでがたがでるよ。っていうか、もう出てるんだよな。こんな事件が起きてるんだから。