ドロッポ

ドロッポがネットでそれほど話題にならなくなった。
ドロッポ自体が減っているとはとても思えない。むしろ閉鎖している診療科のニュースは常に流れてる。

話題にならなくなった。
そのことにネット上でニュースバリューを認められなくなった。
ドロッポが珍しいことではなくなったということ。

何も考えずに多数派についていくだけで成功するほど世の中は甘くないだろうし、ドロッポが増えれば増えるほど実際僕の立場は悪くなる(競争相手が増えるから)。

でも、ドロッポ前の僕の状態(いつ壊れるかと思った、次のボーナスをもらうまでがんばろうなんて気は全くなかった)を考えると、ドロッポする人たちを心のどこかで応援する自分もいる。例えば、かつての自分の同僚とか。

少なくとも今の厚労省なら、医局だとか大病院に属さなくても食っていくことはできる。もちろんプライドとか名誉とかそんな物はゴミ箱に捨てることになるけど、人間らしい生活は得られる。ドロッポったって別にバイトしなければいけないわけではない。
条件のいい病院を自分で探して、「再就職」することもドロッポだと僕は思う。自分は就職先だけでは食っていけないからバイトしてるけど・・・。

何を一番の目的にするか。もし、ある医師の目的が「教授になること」なら、それに向けて突っ走ればいい。例えばかつての上司とか。自分はそんなこと、何の価値があるとも思わないけど、彼がそれをするのを止めはしない。
なんに賭けようと個人の自由だ。僕は彼に文句は言わないし、僕も彼に文句は言わせない。