啓蒙不足を感じます

医師不足43%実感 小都市、郡部ほど深刻 医療問題世論調査河北新報
http://www.kahoku.co.jp/news/2007/06/20070617ri02.htm

医師不足43%実感 小都市、郡部ほど深刻 医療問題世論調査
 自分の周囲で「医師が足りない」と感じている人が43%に上ることが、河北新報社など加盟の日本世論調査会が今月2、3両日に実施した「医療問題」に関する全国面接世論調査で分かった。病院の診療縮小や閉鎖が相次ぎ、地域医療の危機とも言われる現状を裏付けた形。国や自治体の早急で実効性ある対策が求められる。「尊厳死」の法制化には80%が賛成した。

 調査結果によると、医師不足を「大いに感じる」が16%、「ある程度感じる」が27%。「大いに感じる」と深刻な状況にある人は、有権者10万人未満の小都市で27%、郡部で19%と多く、ブロック別では東北が28%で最多となるなど自治体の規模や地域で差があった。

 不足を感じる理由を二つまで尋ねたところ「待ち時間が長くなるなど不便になった」が47%で最多。「病院や診療所が閉鎖したり、1部の診療科がなくなったりした」(37%)、「救急対応が遅かったり、たらい回しにされたりした」(28%)が続いた。

 こうした現状に「かかる病院を変えた」(35%)「通院を我慢したり市販薬で済ませたりした」(18%)などの対応を迫られているが、「特に何もしていない」と、打つ手がない人も42%。

 国もさまざまな医師不足対策を打ち出しているものの“特効薬”はないのが現状だ。調査で「急いで取り組んでほしい施策」を2つまで尋ねたところ、「地域医療に取り組みやすい環境整備」(46%)を求める回答が最多だったが、「国や自治体が医師配置を調整する」(35%)、「新人医師に一定期間へき地勤務を義務付ける」(21%)など行政の“直接介入”を求める声も目立った。

 一方、終末期医療については、回復の見込みがなく延命治療しか残されていない状態になったとき、「人工呼吸器などによる延命治療は望まない」との回答が89%。法律で「尊厳死」を認めるべきだと思う人が80%と、多数派を占めた。

 延命治療を中止するには「患者の意思が文書などで確認され、家族も同意」という最も厳しい条件が必要と考える人が全体の50%で最多だった。
 がん対策で国に求める取り組み(複数回答)としては、「治療費を安くする」が56%、「全国で同じ水準のがん治療を受けられるようにする」が49%で続いた。親が育てられない赤ちゃんを匿名で預ける「赤ちゃんポスト」への賛否は、賛成が33%、反対23%だった。
 【注】小数点1位を四捨五入した。

◎東北、52%で最多

 今回の調査で医師不足を「大いに感じる」とした人は、有権者人口10万人未満の小都市で27%、郡部で19%に上り、大都市(東京23区と政令指定都市)、中都市(有権者10万人以上)の各12%を大きく上回った。医師が都会に集中し、地方にしわ寄せが来ている状況が浮き彫りになった。

 「大いに感じる」と「ある程度感じる」の合計をブロック別にみると、東北が52%で最多。近畿50%、北陸47%、甲信越44%、関東43%、四国42%、東海と九州各39%、北海道38%、中国地方37%の順だった。

 医師不足を感じる理由(2つまで)は、大都市、中都市で「待ち時間が長くなるなど不便になった」がそれぞれ52、55%、「救急対応が遅かったり、たらい回しにされる」が31、30%で、混雑ぶりがうかがわれた。

 これに対し、小都市、郡部では「病院などの閉鎖」がそれぞれ43、37%。「近くに医師がいない」が9、16%で、より深刻な様相を呈した。ブロック別では北海道で52%、甲信越で53%が「閉鎖」を理由に挙げた。

 「お産ができる場所が少ない」「小児科が少ない」とした人は、30代男性と、20―30代の女性で多かった。

 急いで取り組んでほしい施策(二つまで)として「国や自治体の配置調整」を望んだのは全体の35%だが、医師不足を「大いに感じる」人に限ると42%。さらに医学生関連の施策から「へき地医療にかかわることを条件にした奨学金」を挙げた人は全体の27%、「地域医療の魅力を伝える教育」は18%、「将来地元に残る人を大学医学部に優先合格させる」は13%だった。

医師は勤務地を強制されても仕方ないと思う人間はやっぱり多いですね。僻地で育って都会へと出て行く若者たちはどうなんでしょうね?
癌対策で治療費を安くするべきだの日本全国で同じがん治療を受けられるようにせよだのもナンセンスです。コスト、アクセス、クオリティをすべて改善することは「不可能」です。もし希望どおりにするのならば僻地を都会レベルにするのではなく、都会を僻地レベルにするしかありません。手術なんてとんでもない。自然のままみんな看取る。それしか不可能です。
尊厳死についても個人的には驚くべき結果。政府にせよ協会にせよガイドラインがやたら厳しかったのはこのような世論を読んでいたからなんでしょうか。もし一番厳しい条件を適応するならば法制化後延命治療の中止は日本全国でほぼ皆無になるといってもいいでしょう。いままで良心に従って延命治療を中止していた医師も法で明文化されたらしたがわざるを得ません。しかもこの流れで法制化されたならば延命治療の不開始も一定の条件が課せられるかもしれませんね。医療費は政府の意図しない部分で増大していくことでしょう。