僻地とは

無断転載すみません。
http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20070513

rijin 『厚生労働省には僻地の定義というのがあります。

医療機関のない地域で、当該地域の中心的な場所を起点として、概ね半径4kmの区域内に人口50人以上が居住している地域であって、かつ、容易に医療機関を利用することができない地区」というものです。

 平成16年末で787地区となっています。

へき地保健医療対策検討会報告書 (第10次) 平成17年7月
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/07/s0729-8.html

2 近年のへき地・離島保健医療を取り巻く状況の変化
(1)無医地区・無歯科医地区の状況の変化
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/07/s0729-8a.html#2

 各診療所に3人ずつ配置するにしても、2000人いればほぼ充足するでしょう。

 何となく混同されていますが、現在問題とされている、地方の中核的病院の問題解決ではないということのように思います。

 確かに医師増員そのものは、評価されるべき英断であると思いますが、…。』

上のリンクとその孫引きにあたってみた。

無医地区、無歯科医地区とは⇒ 医療機関のない地区で、当該地区の中心的な場所から概ね4?の
区域内に50人以上が居住し、かつ容易に医療機関を利用できない地区。

http://www.pref.kagawa.jp/imu/iryoukeikaku/7kakuron1-5.pdf(2ページ目 注3)

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/06/dl/s0608-9a1.pdf
この定義を踏まえて上記リンクを見ますと全国で無医地区は787件あり、平成16年までは減少傾向にある。
しかも東京都(離島があるものの、離島については別途定義があるため)をはじめとして、埼玉、千葉、神奈川、大阪の5都府県には無医地区は存在しない。ちなみにダントツのトップは予想通り北海道で111地区ある。

地域枠は、47都道府県ごとに年5人程度、全国で約250人の定員増を想定している。地域枠の学生には、授業料の免除といった優遇措置を設ける。

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20070513it01.htm

47都道府県ごとという上記が1)学生の出身地別 なのか 2)卒業後の勤務地別 なのかで多少話は変わってくるけど、一つの問題は、どこに定員を増やすのかという問題がある。貸与金については交付金という形で国が負担するという言葉をとりあえず信じることとしても。さらに無医地区は都道府県ごとにばらつきがあるため、無医地区を優先とするなら5都府県には250名はいきわたらず、更に言えば分配される250名は「たった一人の医師」もしくは「同学年の卒業生何人か」で無医地区に向かい、診療に当たることになってしまう。

って考えると、少なくとも1年目には不可能な仕事になる。指導医もいない。その地域で何が起きても責任を取るのは自分だけ。学費に対する義務がこれとはちょっと酷だ。

と、すると少なくとも最初の数年は「無医地区ではないにしろ、医者不足の病院(もちろん無医地区に距離的に近いほうが望ましいだろう)」で経験し、その後独り立ちというパターン。そのような場所にある病院でも、臨床研究指定病院はあるから、250人は受け入れられるだろうし、病院側からは歓迎されるに違いない。

で、昨日も書いた「利権の匂い」が再度してくる。250人でそのような病院を充足できるはずはなく、法案を立てるにあたってよっぽどきっちりとした定義づけをしないと、争奪合戦が始まる。上に書いた2)のパターンを前提に書けば、5人がそれぞれどの病院に行くかということも大事な問題になる。5つ以上の病院があり、マッチング形式とするのだろうか。一つの病院に集中した結果アンマッチな学生が出たとして、すぐに返済を迫るのか、それとも現行のマッチングではない別の形式をこの250人には適用するのか、それ以前に学生が卒業する6年後まで現行のマッチング形式は残存しているのか。
興味は尽きない。